フロッピーディスクの思い出話。
CDやDVD、さらにUSBメモリーが登場するまでは、データ保存メディアの絶対王者だった、フロッピーディスク。
今から見れば、超非力なメディアです。スマホで撮影した写真1枚ですら、フロッピーディスクに入りません。
でも、インターネットなどまだなかった時代、多くの人が便利に活用していました。
一般的なのが3.5インチフロッピーですが、8インチ、5インチなど、いろいろあったんですよ。
今や、フロッピーディスクを見たことがないという人も多いでしょうねえ。
データを読み書きする時の「頑張って仕事してます」「もうすぐ終わります」的な独特な音に、懐かしさを感じる人もいるかも。
ソフトをパソコンにインストールする時にも、かつてはフロッピーディスクが使われていました。
CDやDVDなら1枚で済みますが、フロッピーは保存可能容量が少ないですから、インストールディスクだけで複数枚あるのが当たり前。
それを、インストーラーの指示通り、順番に入れ替えていかなければならない。
読み込み速度も速くはありませんので、インストールに時間がかかるかかる。
ソフトによっては、インストールだけで、1日仕事。時間泥棒です。
最後に入れたフロッピーが読み込みエラーなど起こして、インストールが異常終了、それまでの時間がパーになり、作業者発狂、なんてこともよくありました。
デスクトップパソコンにもノートパソコンにも、かつては、フロッピーディスクドライブが標準搭載されていたものです。時代の流れは、切ないです。
今さらフロッピー
今や、電気量販店の店頭などでも、ほとんど見かけなくなったフロッピーディスクですが、古くからの機械をメンテナンスしながら、長年大事に使い続けているような工場などでは、まだまだ現役で使われていたりします。
私が長年仕事でお世話になっている会社(A社)も、フロッピーディスクを使って作業されている企業とお付き合いされています。
A社のお客様のフロッピーには、過去に作った製品データが保存されているのですが、特定の機械でしか使えない形式で保存されており、Windowsなどでは読めません。
WindowsPCで読めるようにするために、データを変換するソフトをA社は作られたのですが、私もそのソフトの動作テストをすることが、まれにあります。
そんなわけで、私も未だに、数枚のフロッピーディスクと、外付フロッピーディスクドライブを所持しています。
フロッピーディスクは消耗品ですので、突然お亡くなりになってしまうことがあります。
手持ちの残り枚数がわずかになってきたので、念のために予備がほしいなと思い、ネットショップで確認してみたら、10枚で3,000~4,000円という高すぎる価格にびっくり。
もっと安いのはないかと思い、ヤフオク!で検索してみたら、中古のフロッピーディスクがたくさん見つかりました。
あれこれ物色し、状態のよさそうな物を落札。12枚で送料込み600円。全額Tポイントで入手。
本当は数枚だけでよかったのですが、我が家に来て不機嫌になるディスクもあるかもしれないと思い、この出品物を選びました。
案の定、1枚だけ読み書きできないものがあったのですが、11枚合格なら万々歳です。
なぜ思いつかなかったのか。
「ヤフオク!でフロッピー落札した。安かってん」とダンナに自慢すると、彼はちょっと絶句。
「フロッピー? 何で今さら?」
私がフロッピーを使った作業をしていることを知っている彼、その必要性についてはすぐ理解してくれたのですが、その後に彼が発したひとことに、私は倒れそうになりました。
「フロッピーやったら、ぎょうさんあるのに・・・」
IT業界に30年以上在籍している彼、様々な資料や媒体を数多く保管しています。当時の資料や知恵を、今でもたまに参考にしたり、時に役立つ時もあるらしいです。
当然フロッピー全盛時代も経験しているので、今でも実家に残しています。
「昔はインストール用のフロッピーディスクが、ソフトにもマシンにも必ず付いてた。中古やけど、フォーマットしたらまだ使えるはずや。言ってくれたらよかったのに」
「あああああ、そうやんな。持ってるよな。なんで私、気付かへんかったんやろう。あほやわー」
悶絶する私を見て、ダンナは笑ってました。
ダンナの物持ちの良さを嫌というほど認識しているのに、彼が所持するフロッピーも見せてもらったことがあるのに、なぜダンナへ確認することを思いつかなかったのか。
最後の最後に、残念な私が露呈してしまいました。
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