2023年7月 ~墓の解体・撤去と骨上げ~
引っ越し先、正式決定。
墓前法要から1週間ほど経った頃、市役所の担当窓口から、合葬式墓地使用許可決定通知書と使用料納付書が届きました。
使用料を納付後、再び市役所へ出向き、領収書と引き換えに、合葬式墓地使用許可証を受領。
これでやっと、お墓の引っ越し先が、正式に決定。
ほぼ同じ頃、A社から、骨上げの日程連絡が届きました。
骨上げができるということは、お墓の解体・撤去作業が始まるということです。
スコップでの骨上げ。
骨上げ当日、指定された時間に墓に行くと、Kさんが待ってくれていました。
墓石は既にあらかた撤去済みだったので、すぐに骨上げを開始。お骨をスコップですくい、Kさんが持参していた白い布袋に残らず入れていきます。
書類上では、両親のお骨を移動させることになっているので、2つの袋に分けるものだと思っていた私は、1つの袋に全てのお骨を入れることに、若干戸惑いました。
でも、「どれが誰のお骨かわからないので、あえて分ける必要もないと思いますよ。1つの袋でも、問題なく納骨できますし」というKさんの説明を受け、それもそうだなと思い直しました。
費用的なこともあって、「○○家先祖代々」のような形で、まとめて引っ越しできればいいなと、当初は思っていましたし。
両親の納骨をした際には気付かなかったのですが、収骨していた場所はコンクリート製で、土は入っていませんでした。
Kさん曰く、土が入っていれば、土を取り除いて乾燥させるのに1週間程度かかるが、今回はそういった手間が少ないので、4~5日で返却可能とのこと。返却後、すぐに合葬式墓地へ納骨することになるので、納骨希望日時を決めてほしいと依頼を受けました。
お骨が入った袋をKさんにお預けし、10分程度で全て完了。
別れ際、「墓の撤去作業は、たぶん明日中に終わると思います。撤去後、公園墓地職員による立会確認を経て、正式完了となります。最後までお任せ下さい」と、Kさんはおっしゃいました。
墓地内の道路沿いで、職人さんが休憩しておられたので、ご挨拶しました。
傍らのトラックの荷台には、既に撤去された我が家の墓石が載せられていました。
普段は数人で作業するが、今日は他の現場に出てしまい、自分ひとりで作業している。
暑いので、フライング気味で、朝の6時頃から作業している。
墓地内には階段が多いが、階段脇のスロープを利用して、墓石を運搬している。
そんなことをお話しくださいました。
骨壺発見。
お墓に到着してすぐ、Kさんから聞かされたのが、骨壺の存在。
見ると、収骨場所の隅っこに、陶器製の小さい骨壺がありました。
Kさん曰く、「中は未確認ですけど、重さから考えると、たぶん土だと思います」とのこと。
お骨が入った袋とともに、骨壺もお預けし、確認をお願いしました。
それにしても、なぜ骨壺?
考えを巡らせるうちに思い出したのが、「前に暮らしていた集落の中に、墓があった」という父の言葉です。
もしかしたら、骨壺に入っているのは、その集落内にあった、私達先祖の墓の土ではないだろうか。
昔の納骨は土の上に直接ばらまいていたでしょうから、お骨は徐々に土に帰っていく。
だから、お骨が混ざっているであろう土を骨壺に入れ、新しい墓に移動させたのではないだろうか。
祖母が亡くなったのは、墓を建立してから10年ほど後のこと。しかし、墓を建立した当初から、墓標には先祖たちの名前が刻まれていました。
墓参りをするたびに不思議に思っていたのですが、やっと長年の疑問が解けたような気がしました。
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